アトリエのある3階から2階の天井、床、そして1階の玄関ホールの天井に開口部を作り、ホイスト(小型の巻き上げ装置)とチェーンを使って絵画を垂直に下ろす仕組みをご提案しました。これにより大きな絵画も、お施主様ひとりでも楽に搬出入できるようになりました。
アトリエは3階の2室を1室にして広く使えるようにし、床は温かみのある国産檜の縁甲板、壁は杉板ですっきりと仕上げています。
キッチンは今のままのコンパクトなサイズでも機能的で使いやすく、プランのバリエーションも豊富なサンヴァリエ〈アミィ〉を選択しました。キッチンと玄関ホール・廊下のフローリングはアトリエと同じ檜の縁甲板張りにし、体にも優しく明るく仕上げています。
お施主様はご自宅で油絵を描かれている60代の女流画家。築30年になる3階建ての戸建てにお住まいでした。
一番のお悩みは100号以上の絵画を自宅から搬出する方法。息子さんに手伝ってもらって窓からロープでつるして外に下ろしていましたが、「何か良い方法はないでしょうか」ということでした。
住み慣れた家の間取りはあまり変えずにローコストに。キッチンはコンパクトなままで使いやすいものにして、部屋が和室だけなのでアトリエとして使いやすい部屋がほしいというご要望でした。